カウンセリングを頑張るほど、なぜかお客様の心が離れてしまう理由

「ちゃんと話を聞こう」

「お悩みを深掘りしよう」

「専門家として、原因を分かりやすく伝えよう」

そう思って一生懸命カウンセリングしているのに、なぜか会話が噛み合わない。

質問が尋問のようになってしまったり、途中で何を聞けばいいのか分からなくなったり。

知識を説明しても、お客様の反応がいまひとつだったり。

実はこれ、カウンセリングが苦手だから起きているとは限りません。

むしろ、

「ちゃんとカウンセリングしなきゃ」と思いすぎることで、お客様が見えなくなっている

ことがあります。

目次

カウンセリングで陥りやすい一番の罠

お客様が話しているとき、頭の中でこんなことを考えていませんか?

「次は何を聞こう?」

「もっと深掘りした方がいいかな?」

「原因を聞き出さなきゃ」

「専門家らしいことを伝えなきゃ」

「ここから自分の専門分野の話につなげるには?」

「ちゃんと納得してもらわなきゃ」

一見、全部お客様のために考えているように見えます。

でも、これだけのことを考えながら話を聞いていると、意識は少しずつお客様ではなく、

「次に自分が何を言うか」

へ向いていきます。

すると、お客様がとても大切なことを話してくれているのに、その言葉を拾えなくなってしまうのです。

お客様が話している「症状」だけを聞かない

例えば、

「肩がすごく凝っていると言われて、ちょっと心配になって……」

というお客様がいたとします。

「肩こりのお客様だ」と思った瞬間、

「普段どんな姿勢ですか?」

「パソコンは何時間くらい使いますか?」

「運動はしていますか?」

と、肩こりの原因を探したくなるかもしれません。

でも、この方が本当に分かってほしいのは、

「肩こりの原因」

ではなく、

「そんなに悪い状態なのかと不安になった」

という気持ちかもしれません。

だとしたら必要なのは、原因を探す質問より、

「そんなふうに言われたら心配になりますよね」

「今日はしっかりお身体を見ていきますから、大丈夫ですよ」

という言葉かもしれないのです。

「こちらが解決したい問題」と「お客様が解決してほしい問題」は違う

ここはカウンセリングですごく大切なところです。

専門家は、症状を聞くとすぐに

「原因を見つけてあげたい」

と思います。

でも、お客様がその瞬間に求めていることは、

「不安を分かってほしい」

「ずっと頑張ってきたことを分かってほしい」

「何をやってもダメだった理由を知りたい」

「ここなら大丈夫だと思いたい」

なのかもしれません。

例えば、

「整体にも何度も行ったんですけど、そのときだけなんですよね」

という言葉。

ここで、

「他にはどんなセルフケアをしていますか?」

と次の情報を取りにいくこともできます。

でもその前に、

「いろいろやってきたのに、結局また戻ってしまうことに疲れているのかな」

と、その人の気持ちを見ることができる。

すると、

「いろいろ試してこられたんですね。それでもまた戻ってしまうと、何をしたらいいのか分からなくなりますよね」

という言葉が自然に出てきます。

この瞬間、お客様は初めて、

「この人、私のこと分かってくれている」

と感じるのです。

「深掘りしなきゃ」も罠になる

カウンセリングを学ぶと、

「深掘りが大切」

「お客様の言葉を拾いましょう」

と教わることがあります。

もちろん、それ自体は大切です。

でも今度は、

「拾わなきゃ」
「深掘りしなきゃ」

が新しいルールになってしまうことがあります。

そうすると、

「同じ姿勢が多いんです」

「同じ姿勢というのはどんな姿勢ですか?」

「座っています」

「どんな椅子ですか?」

……と、

何のために聞いているのか分からない質問が続いてしまう。

大切なのは、質問を続けることではありません。

「今の言葉の何が私は気になったんだろう?」

と考えることです。

気になることがなければ、無理に質問を作る必要はありません。

正しい説明ほど、お客様に届かないことがある

専門知識をたくさん持っている人ほど、もう一つ陥りやすい罠があります。

それが、

「正しく説明すれば、納得してもらえる」

と思ってしまうこと。

もちろん専門家として正しい知識は必要です。

でも、お客様の気持ちがまだこちらに向いていない段階で専門的な説明をしても、

「へぇ、そうなんですね」

で終わってしまうことがあります。

知識が足りないのではありません。

知識を伝える“順番”が早すぎるのです。

まず必要なのは、

「この人は私のことを分かってくれている」

という感覚。

そのあとに専門家として、

「もしかすると、今までケアしてきたところとは別の部分にも原因があるかもしれませんね」

と新しい視点を渡す。

だからこそ、お客様は専門家の話を聞いてみようと思えるのです。

カウンセリングで最初に考えることは、たった一つ

質問力を上げようとする前に、一度すべてをシンプルにしてみてください。

お客様が話しているときに考えるのは、

「この人は今、私に何を分かってほしいんだろう?」

まずはこれだけ。

そして、それが見えてきたら次に、

「どんな言葉を返したら、“分かってもらえた”と感じるだろう?」

と考えます。

専門家としての説明は、そのあとでいいのです。

カウンセリングが変わる5つのステップ

カウンセリングを、

「質問 → 説明 → 納得させる」

と考えるのではなく、

① 聞く

② 相手の考えや気持ちを理解する

③ 理解したことを言葉にして返す

④ 安心や気づきをつくる

⑤ 必要なところだけ専門知識を伝える

この順番で考えてみる。

すると、「次に何を質問しよう?」と焦らなくても会話がつながりやすくなります。

カウンセリングが苦手な人ほど「説明禁止」の練習を

もしカウンセリングを練習しているのに、なかなか上達しないと感じているなら、一度、

「専門的な説明をしない」

というルールで練習してみるのもおすすめです。

5分間、アドバイスもしない。

原因も説明しない。

自分のサービスにもつなげない。

ただ、

「この人は何を分かってほしいんだろう?」

を考えながら話を聞く。

そして最後に、

「この人が本当に言いたかったことは何だったと思う?」

を振り返ってみる。

これだけです。

それができるようになったら、

次は「理解したことを言葉にして返す」。

その次に「専門家として気づきを与える」。

一度に全部できるようになろうとせず、一つずつ練習していきます。

カウンセリングは「何を言うか」より「何を受け取るか」

カウンセリングがうまい人というと、

質問が上手な人。

説明が上手な人。

知識が豊富な人。

そんなイメージがあるかもしれません。

でも、その前に必要なのは、

目の前のお客様が発しているものを受け取る力。

お客様の言葉の奥にある、

「不安だった」

「分かってほしかった」

「もう諦めかけている」

「でも、本当は変わりたい」

そんな気持ちに気づけたとき、

初めて専門家として持っている知識が生きてきます。

カウンセリングで大切なのは、

「私は次に何を言う?」ではなく、
「この人は何を言いたい?」

なのかもしれません。

知識を伝える前に、人を理解する。

そこから始めるだけで、カウンセリングは大きく変わっていきます。

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この記事を書いた人

女性ホルモンケア専門家を養成するスクールとして、医師監修の技術と、女性ホルモン・更年期に特化した知識をお伝えしています。

受講生は50代の方も多く、年齢を重ねる女性の体の変化を基礎からしっかり学びたい方、専門家としてお客様にもっと深く寄り添えるケアを身につけたい方にご受講いただいています。

なんとなくの知識ではなく、女性ホルモンの変化や更年期のしくみを理解し、現場でわかりやすく伝えられる専門家を育成しています。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • ご指導有難うございます。
    沢山ワードがあり分からなくなるほどですが、
    一番に思ったことは、カウセリングは看護師の問診ではないよということでした。ついついやりがちな原因を探りに行く聞きたがり、そしてこれはですねと説明しがちだったと、カウセリングは、お客様の話を傾聴し相手がどう思っているか理解し共感し言葉にしてお客様に伝えていく。お客様の言葉を拾いながらお客様の気付きにに持っていき女性ホルモンケアにつないでいく。まだお客様にカウセリングをしていないので私にはそんなつなげる語録が無いと不安でしたが、ご指導を受けカウセリング、クロージングの流れが理解できた気がしました。
    上からの声掛けにならないよう気をつけながら
    勉強していきます。
    ご指導を宜しくお願い致します🙇

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